第123章 黒幕、暴かれる(2)

志藤校長も山本竜也の方を見た。山本竜也と杉本瑠璃の件については、いくらか聞いていたが、山本竜也は紅葉学園の古参教員なので、理屈から言えば、生徒に薬を盛るようなことはしないはずだった。

杉本瑠璃は山本竜也に軽く微笑みかけてから視線を移し、志藤校長を見て、「その質問に答える前に、志藤校長は薬を盛った人をどのように処分するつもりなのか知りたいのですが」と尋ねた。

志藤校長は少しもためらうことなく、はっきりと「退学処分、そして警察に通報します」と言った。

杉本瑠璃は校長の遠慮のない処置方法を聞いて、頷いて同意を示した。

「実は誰が薬を盛ったのかを知るのは簡単です。私には方法があります。直接誰が薬を盛ったのか言うこともできますが、私の一方的な証言だけでは、みんなを納得させることはできないでしょう。私には薬を盛った人に自白させる方法があります」

杉本瑠璃は直接犯人を名指しせず、別の方法を選んだ。

志藤校長は一瞬戸惑ったが、考えてみると、杉本瑠璃の言うことももっともだった。楽屋は着替えのために使用するため、誰かが常に監視しているわけではなく、この時代には監視カメラもない。毒を盛った犯人を証明するのに、杉本瑠璃の一方的な証言だけでは、確かに全員を納得させることはできないだろう。

しかし、杉本瑠璃の言う方法は、少し頼りなさそうに思えた。毒を盛った人が自分から認めるはずがない。それとも杉本瑠璃には何か方法があるのだろうか?

志藤校長は考えを整理してから、杉本瑠璃を見て「杉本くん、どんな方法があるんですか?」と尋ねた。

杉本瑠璃は周りを見回してみると、山本竜也の視線が自分から離れていないことに気づいた。明らかに杉本瑠璃が本当に何か方法を持っているのではないかと心配しているようだった。

「この方法は、知っている人が少なければ少ないほど安全です。ですから校長先生、私はあなただけに話したいのです」

志藤校長は反対せず、他の教師たちも何も言わなかった。ただ山本竜也だけが反対した。「それはいけません。これは小さな問題ではありません。学校の上層部として、私たちには知る権利があります。それとも、あなたは単に大げさに振る舞っているだけなのですか」