第124章 黒幕、暴かれる(3)

実は山本竜也が杉本瑠璃と三島様の関係が深いことを知った時、もう杉本瑠璃と対立したくなくなっていた。彼は杉本瑠璃を恐れてはいなかったが、三島様は怖かった。

残念ながら、彼の気付きは遅すぎた。この件を何とか取り繕って、後で杉本瑠璃に取り入る機会を見つけることを願うばかりだった。

山本竜也は山本颯真と比べると、状況判断のできる人間だった。杉本瑠璃と良好な関係を築けば、いつか三島様とも繋がりができるかもしれない。それは素晴らしい機会になるはずだった。

杉本瑠璃の方では、翡翠店の改装もほぼ完了し、あとは杉本瑠璃が開店日を決めるだけとなっていた。杉本瑠璃はこの件を父親に任せることにした。長年のビジネスマンである父親は、こういったことには詳しかったからだ。

杉本律人も忙しく立ち回っていた。父親が再び活気を取り戻し、破産時の憂鬱な様子が消えていくのを見て、杉本瑠璃は家族の生活がますます良くなっていくと感じていた。

翌日、杉本瑠璃が登校すると、学校から連絡があった。毒を仕掛けた犯人が見つかったという。その人物は自ら過ちを認めに来た今年の新入生で、機械工学科の男子学生、遠野小川という名前だった。

この遠野小川は全てを白状した。彼は以前鈴木ゆうすけとトラブルがあり、鈴木ゆうすけが気に入らなかったため、公演の際に一時の出来心で鈴木ゆうすけに薬を仕掛け、舞台上で恥をかかせようとしたのだと。

彼は本当に鈴木ゆうすけを害そうとしたわけではなく、ただ恥をかかせて溜飲を下げたかっただけだった。しかし、事態がここまで大きくなり、学校まで巻き込んでしまい、鈴木ゆうすけは病院に入院することになってしまった。

昨日一日中悩み、迷った末、最後は良心が咎めて、今朝早く学生課を訪れ、山本竜也主任に自ら過ちを認め、学校に再チャンスをくれるよう願い出たのだった。

この一連の説明は、すべて理にかなっているように見えた。遠野小川と鈴木ゆうすけの確執があり、遠野小川はただ鈴木ゆうすけを懲らしめようとしただけで、薬が強すぎることに気付かなかった。今では自ら過ちを認めており、まるで若者同士の争いの後の悪ふざけのように見えた。

杉本瑠璃は遠野小川を正々堂々と教育する山本竜也の姿を見て、この才能を持って役者にならなかったのは本当に惜しいと感じた。