第133章 陰謀と甘い雰囲気(7)

つまり、彼女は三島悠羽の部屋に入ることはできないが、三島悠羽は自由に彼女の部屋に出入りできるということだ。

これはちょっと信頼できないのではないだろうか?

杉本瑠璃は朝日執事に部屋を変えてほしいと頼んだが、朝日執事は三島様が承認したのはこの部屋だけで、他の部屋は三島様の許可がないと決められないと言った。

そして杉本瑠璃が三島様に会いに行った時、三島様はただ淡々と「他の部屋は全て埋まっている。杉本先生には我慢してもらうしかない。こうすれば私がいつでも杉本先生を探せて都合がいい。まさか杉本先生は、夜更けに私が何か不適切な行為をするのではないかと心配しているのかな?」と言った。

そう言いながら、純真な眼差しを向けてきた。この純真な三島悠羽と比べると、杉本瑠璃は自分の方が不純な女性のような気がしてきた。

ぷっ!

杉本瑠璃は泣きたくなるほど言葉を失った。目を開けて嘘をつくなら、三島悠羽の右に出る者はいないだろう。

まあいい、人の軒を借りている身なのだから、運命を受け入れるしかない。

三島悠羽のような天人のような人物が、未成年の少女である自分に不適切な意図を持つはずがない。

それに、仮に三島悠羽が何か不適切な行動を取ろうとしても、自分の腕前があれば三島悠羽を恐れる必要はない。

その夜、三島悠羽は本当に別の沈香の木製浴槽を彼女の部屋に運ばせた。杉本瑠璃はそれを見て、少し呆然とした。

杉本瑠璃以上に驚いたのは、実は朝日執事だった。

朝日執事は三島様に長年仕えてきたので、当然三島様の習慣をよく知っていた。三島様が杉本瑠璃に対して潔癖症を見せないどころか、もう一つの浴槽まで杉本瑠璃に贈ったことに驚いた。

一時、朝日執事も困惑した。若様が杉本瑠璃に対してどのような思いを抱いているのか、理解できなくなった。

本当に若様が以前言ったように、生活が退屈すぎて、別の生き方を試してみたいということなのだろうか?

しかし、別の生き方を試してみたいとしても、この私物の浴槽を杉本瑠璃に贈る必要はないはずだ。それとも...若様がついに目覚めたということなのか?