第138章 三島悠羽と宴会へ(2)

三島明の反応は三島聡より遅く、杉本瑠璃たちが数歩離れた後になってようやく気づき、周りの人々の視線も気にせず、相変わらずの高慢ちきな御曹司の態度を見せた。

杉本瑠璃は三島悠羽の車椅子を押しながら、万人の注目を浴びても歩みは安定しており、少しの臆病さも見せず、とても威厳があり、若いながらも女王様のような冷たい雰囲気を漂わせていた。

その時、誰も面倒を起こしに来ることはなく、むしろ皆が遠くから様子を窺い、杉本瑠璃の身分について思いを巡らせていた。

これまで三島様の周りには女性が一切現れなかったのに、今回突如として一人の女性が現れたのだから、当然騒ぎになるはずだった。

杉本瑠璃は三島悠羽の指示に従って、人の少ない場所まで車椅子を押していくと、年配の男性たちが輪になって親しげに話し合っている様子が目に入った。