第141章 三島悠羽と宴会へ（5）

杉本瑠璃が三島悠羽を見つめていた時、悠羽は彼女の視線に気づき、微かに唇を曲げて微笑んだ。その笑顔は相変わらず魅惑的だったが、彼女はその中に火薬の匂いを感じ取った！

その一瞥は、突然杉本瑠璃の心に飛び込んできた。再び瑠璃は、三島悠羽が妖艶な存在だと感じた。彼は知らず知らずのうちに、人々の警戒心を解き、少しずつ相手を打ち砕き、完全に相手を蝕んでいくのだ。

瑠璃は、三島家のこれらの悪鬼たちの思惑を、悠羽はすべて知っているに違いないと感じた。これらの者たちがまだこれほど自由に動き回れているのは、おそらく悠羽が彼らに手を下すのを軽蔑しているからだろう！

瑠璃は急いで悠羽との視線を外し、感情を表に出さないようにした。悠羽という人物は非常に手強い。彼女は悠羽の心を読めないが、悠羽は彼女の心を読めないわけではない。

三島明は終始渋い顔をして、「叔父たちはゆっくり話してください」と言って、先に立ち去った。

彼は母親を探さなければならなかった。三島颯真は柔には従うが強には従わない人物で、彼の母親は颯真の前では比較的寵愛されており、少なくとも前の二人の妻よりは良かった。この件は母親に出てもらうしかないようだ。

三島聡は近寄ってこなかったものの、遠くから状況を見守っていた。三島明が泣きそうな顔をしているのを見て、「明弟、どうしたんだ？」と尋ねた。

普段から三島聡は三島明に非常に優しかったので、明も聡を警戒することはなかった。「あのクソ女のせいだよ。父上と数人の前で俺の悪口を言いやがった。まったく見苦しい！」

三島聡は目を細め、続けて言った。「ふふ、たかが一人の小娘じゃないか。伯父上はそれほど賢明な方だから、彼女の言葉だけで君を責めたりはしないさ。」

「ふん！あのクソ女のことは言うな。あいつがいなければ、父上が俺を三島グループに入れないなんてことはなかったのに！」

警戒心がなかったため、三島明は思わず口を滑らせた。

三島聡はそれを聞いて、目に光るものが走った。すぐにそれを隠し、驚いたような様子で言った。「どうしてそんなことに？明弟はずっと有能だったのに、この処罰は厳しすぎるね。」

「そうだろう！あのクソ女が父上にどんな甘言を囁いたのか知らないが、宮崎昴のジジイもだ。あいつが口を出さなければ、父上がこんなに重い罰を与えるはずがない！」