第142章 三島悠羽と宴会へ（6）

杉本瑠璃は最近、「青は藍より出でて藍より青し」という言葉を一番よく耳にしていると感じていた。

これも彼女を騙す師匠と、彼女を売り込むことを忘れない三島悠羽のおかげだった。

「ただのチャンスに恵まれただけです。清水社長、お褒めの言葉は過分です。」

彼女はまだこんなに早く有名になりたくなかった。人は名を上げれば上げるほど苦労が増すものだ。何より、杉本瑠璃はこれらのことで自慢したくなかった。

「ハハハ、謙虚な子だね。素晴らしい！私の妻も近々誕生日なんだが、彼女は翡翠が大好きでね。その時は杉本先生に選んでもらおうと思っているんだ。女性同士なら、女性の好みがわかるだろう。」

清水翔太は杉本瑠璃を見つめ、目を輝かせていた。その様子は少し異常で、他の人々も不思議に思っていた。

杉本瑠璃は清水翔太の性格がわからなかったので、彼の心を読もうとはしなかった。

三島悠羽は杉本瑠璃とベテランの重役たちとしばらく話をした後、杉本瑠璃と共に席を立った。重役たちは三島悠羽が疲れることを心配して、休むように促したのだ。

二人が去った後、北澤隆たちは三島悠羽と杉本瑠璃の後ろ姿を見ながら言った。「この杉本先生は並の人物ではないな。」

「ああ、確かに並の人物ではない。三島様の周りには今まで女性がいなかった。彼女が最初で、唯一の存在だ。」

宮崎昴も三島悠羽のことをよく知っていた。杉本瑠璃の出現に、彼らは表面上は大きな驚きを見せなかったものの、心の中では驚いていた。二人が去った後で、やっと話題にし始めた。

三島颯真も三島悠羽の性格を知っていたので、自分の誕生日パーティーであっても、彼の妻たちはここに現れず、彼の側にも女性の付き添いはいなかった。

三島悠羽は家の女性たちに対して特に敏感だった。今日、それらの女性たちを連れてこなかったのは良かった。さもなければ、この息子はパーティーに来ても、彼に挨拶すらしなかっただろう。

「昴さん、その杉本先生の素性を知っているかい？」

父親として、息子のことを他人に聞かなければならないとは、三島颯真もなかなかの変わり者だった。

宮崎昴は深刻な表情で首を振った。「私も今日初めてその娘に会いました。源様に聞いてみたらどうですか？彼は三島悠羽の外祖父で、国医の名医も彼が三島悠羽の治療のために探してきたんですから。」