第143章 三島悠羽と宴会へ(7)

三島悠羽の困惑した表情を見て、彼は微笑んで言った。「一般的に、他の人は『狡猾』という言葉が私に当てはまるとは思わないでしょう。でも...あなたが私にくれたこのレッテル、気に入っていますよ」

杉本瑠璃は目尻と口角が制御不能に痙攣するのを感じながら、しばらくして小声で呟いた。「老狐め!」

彼女の声は小さかったが、三島悠羽の耳は良く、彼女の言葉を聞き取ってしまった。しかし、三島悠羽は怒る様子もなく、むしろ一層華やかに笑って言った。「お互い様ですね。でも蒼は可愛くて神秘的な小狐ですよ!」

杉本瑠璃は思わず三島悠羽を見つめ、その深い笑みを湛えた瞳と目が合った。彼女は心臓の鼓動が速くなるのを感じた。それは三島悠羽の魅力に魅了されたからではなく、彼の言葉の裏の意味を感じ取ったからだった。