第144章 三島悠羽と宴会へ(8)

三島明は杉本瑠璃とダンスができることになり、内心喜んでいた。もうすぐ杉本瑠璃が恥をかくところを見られると思うと、気分がすっきりした。

この杉本瑠璃のせいで三島グループに入れなくなったのだから、彼女にもパーティーで恥をかかせてやらなければならない。

「杉本先生、もうその年なのにダンスもできないんですか?ふふ、やはり杉本先生の出自はたいしたことないようですね。このようなパーティーも初めてでしょう」

三島悠羽が杉本瑠璃の側にいないので、三島明は遠慮なく話すことができた。どうせ今は杉本瑠璃が自分の手の内にあるのだから、逃げられる心配はない。

三島明の皮肉や嫌味に対して、杉本瑠璃はまったく怒る様子を見せなかった。彼女は三島明の下心を見抜いていたので、何も心配することはなかった。

三島明が多くを語れば語るほど、杉本瑠璃にはピエロが得意げにしているようにしか見えなかった。

「私は出自なんて必要ありません。なぜなら、いわゆる良い出自の人々より強く生きていける能力があるからです。例えば...あなたのように!」

三島明と二人きりだったので、杉本瑠璃は彼に気を遣う必要はなかった。どうせ二人は友達になれるはずもないし、悪意を持った三島明に良い顔をする必要もなかった。

「お前!」三島明は杉本瑠璃がこれほど傲慢だとは思っていなかった。深く息を吸い、杉本瑠璃を睨みつけながら、「ふん、夢物語だな!俺の出自は、お前が一生かかっても届かない高みにあるんだ!」

杉本瑠璃は軽く笑い、露骨な軽蔑を込めて言った。「私が到達できる高みは、あなたがどんなに良い出自でも仰ぎ見るしかない存在です!」

「ふん、大口を叩くな。ただの医者風情が、本当に自分を何様だと思っているんだ。基本的な社交ダンスもできないくせに、そんなことを言って笑止千万だ!」

杉本瑠璃はゆっくりと言った。「知識がないって怖いですね。医学的な観点から説明しましょう。笑い過ぎて気を失っても、歯は抜けませんよ。今後はこういう根拠のない発言は控えめにした方がいいですよ。恥ずかしくないんですか?」

三島明の顔は「輝かしい」ものとなり、しばらく考えた末、ようやく一言吐き出した。「口が達者だな!」

杉本瑠璃は微笑んで、謙遜することなく答えた。「お褒めいただき、ありがとうございます。当然のことです!」

ふん!