第145章 三島悠羽と宴会へ(9)

佐藤よしみは胸に息を詰まらせた。杉本瑠璃の言うとおりだった。もし今この場で騒ぎ立てれば、理由を説明することになり、たとえ杉本瑠璃が彼女のことを物扱いしたとしても、最初に杉本瑠璃を物扱いしたのは自分だと言われてしまう。

「霧乃お姉さん、見てください。彼女は私を罵っただけでなく、私たちみんなが不潔な女だと言ったんです。これは明らかに私たちの名誉を傷つけています!」

佐藤よしみも少し賢い人間で、杉本瑠璃の言葉を捉えて、周りの女性たちを巻き込んだ。

みんなで一つの戦線を張れば、たかが杉本瑠璃一人に言い負かされることはないだろう?

水瀬霧乃はここで一番年上の女の子で、三島悠羽とほぼ同じ年齢の二十歳だった。

彼女にも分かっていた。佐藤よしみがこう言うのは、みんなを巻き込もうとしているのだと。しかし、彼女もこの杉本瑠璃が気に入らなかったので、加担することにした。

「私たち水瀬家も佐藤家も名門の家柄です。今日、不潔だなどと言われて、そんな汚名を着せられるわけにはいきません!」

水瀬霧乃は佐藤よしみとは違い、明らかに名門の子女らしい態度を見せていたが、杉本瑠璃は水瀬霧乃の心中を読み取ると、もはや彼女を評価する気も失せた。いわゆる名門の子女も、所詮はこの程度なのだ。

「ええ、皆さんは名門のお嬢様方ですから、確かに名誉を汚すわけにはいきませんね。だから...三島様に説明を求めに行かれてはいかがでしょう」

杉本瑠璃はゆっくりと言い、不潔という言葉の責任を直接三島悠羽に押し付けた。

彼女が三島悠羽と一緒にパーティーに来たのだから、三島悠羽に少し面倒を作ることなど気にしなかった。

「あなた...」

水瀬霧乃は思いもよらなかった。杉本瑠璃の一言で全ての責任が三島様に押し付けられるとは。彼女たちには三島様に説明を求める勇気などなかった。誰もが知っている通り、三島様が最も嫌うのは女性なのだから。

「お嬢さん、三島様がここにいないからといって、三島様についてきただけのあなたが好き勝手に威張って、全てを三島様のせいにできると思わないでください!ここにいる私たちは、あなたが軽々しく敵に回せる相手ではありません!」

「杉本先生、あの不潔な連中には近づかないほうがいい。臭いが移ると気分が悪くなる」