第153章 同室で過ごす(2)

彼女が着ていたのは昨日のパーティードレスではなく、パジャマだったことに気づき、心臓が大きく跳ねた。いつ着替えたのだろう?なぜ覚えていないのだろう?

しかし杉本瑠璃はすぐに冷静さを取り戻した。外見は16歳だが、一度人生を経験した者として、少女のように大声で叫ぶようなことはしない。

カチッ!

部屋のドアが開いた。彼女の部屋と三島悠羽の部屋を繋ぐドアだ。三島悠羽が車椅子に座り、手に食事の盆を持って入ってきた。

杉本瑠璃は布団を抱きしめたまま座り、髪を乱したまま三島悠羽を見つめた。

三島悠羽は杉本瑠璃が目覚めたのを見て、微笑みかけた。目の奥の居心地の悪さを隠しながら、「一晩中大変だったね。疲れただろう。お粥を飲んで。朝日執事に用意させたんだ」と言った。

ドキッ!

杉本瑠璃は突然口が渇き、落ち着かない気持ちになった。三島悠羽をじっと見つめ、瞬きをしながら、彼の言葉が頭の中で繰り返し響いた。

一晩中大変?

疲れた?

なぜ...これらの言葉がこんなにも暗示的に聞こえるのだろう。まさか昨夜...

杉本瑠璃は必死に昨夜のことを思い出そうとしたが、まるで酔いつぶれて記憶が途切れてしまった人のように、何も思い出せなかった。

無意識に、杉本瑠璃は喉を軽く鳴らし、かすれた声で「私たち...昨夜...」と言った。

自分の声を聞いて、杉本瑠璃は再び固まった。なぜ自分の声がこんな風になっているのだろう?

朝から衝撃的な出来事の連続だった。まず服が替えられていることに気づき、次に三島悠羽の暗示的な言葉を聞き、自分が何かの薬を飲まされたことを察知し、さらに疲労した後のような声。杉本瑠璃の心臓がドキリと鳴った。

こっそりと三島悠羽を見やると、彼は笑みを浮かべ、何の違和感もない様子だった。

理屈で考えれば、三島悠羽は潔癖症の人なのに、彼女に...そんなことをされるはずがない?

杉本瑠璃の可愛らしく悩ましげな表情を見て、三島悠羽は面白くなり、からかいたくなった。

「私たちが何?」

三島悠羽は唇を曲げ、声には濃厚な色気が漂っていた。まるで熟成された酒のように、香りを嗅ぐだけで人を酔わせるような声だった。

杉本瑠璃は何度か口を開きかけては閉じ、言葉を飲み込んだ。三島悠羽の魅惑的な瞳と、この世のものとは思えないほど美しい容姿を見ていると、質問の言葉が出てこなかった。