第229章 三島悠羽の心事(3)加更

杉本瑠璃は目立たない車を適当に選び、車を運転して帝国ホテルを出て、近くの大型スーパーマーケットへ直行した。

この大型スーパーマーケットは繁華街の目立つ場所にあり、最初は店の入り口に車を停めようと思ったが、そこに着いてみると駐車スペースがなかったため、地下駐車場に停めることにした。

彼女が気付かなかったのは、先ほど店の入り口に車を停めた時、二人の人物の注意を引いていたことだった。

「おばさま、どうされましたか?」水瀬霧乃は、おばが一台の車を見て立ち止まり、奇妙な表情をしているのを見て尋ねた。

「あのナンバープレート、私知っているわ」四十代の女性は、手入れの行き届いた優雅な容姿で、上から下まで全身インターナショナルブランドに身を包んでいた。

水瀬霧乃は少し驚いて聞いた。「おばさま、あの車の持ち主をご存知なんですか?挨拶に行きましょうか?」