実は斎藤きくこも杉本家の現状についてよく分かっていませんでした。ただ、杉本家は山本竜也から譲り受けたジュエリーショップがあり、暮らし向きは良いようでした。
ただ、紅葉学園の生徒たちのような裕福な家庭とは違い、一般家庭よりは少し良い程度だと思っていました。
だから、10万元の賞金があると聞いた時、斎藤きくこは杉本瑠璃を誘いたいと思ったのです。
10万元は決して少ない金額ではありません!
「私?私はいいわ。あまり興味ないから」杉本瑠璃はきっぱりと断りました。本当に興味がなかったのです。
斎藤きくこは杉本瑠璃の腕を揺すりながら、甘えるように言いました。「一緒に行きましょうよ。私一人じゃ怖いの。私の付き添いということで、どう?蒼、私、今まで一度もあなたにお願いしたことないでしょう。今回だけ承知してよ」