「えっ?」
「学校でオーディションが開催されるって?しかもユニバースメディア株式会社が主催?」
ユニバースメディア株式会社は国内でもトップクラスの存在で、毎回開催するイベントは注目の的となっている。
まさか、今回のオーディションの会場が紅葉学園に選ばれるとは。
でも考えてみれば、理解できないことでもない。
おそらく紅葉学園のような学校だからこそ、ユニバースメディア株式会社に会場を貸すことができるのだろう。
なぜなら、紅葉学園の生徒たちは、オーディション番組のために学業をおろそかにすることはないからだ。
彼らは視野が広く、見識も豊富で、一般の学校とは違う。
一般の学校でこのようなイベントを開催したら、生徒たちは勉強に集中できず、イベントに夢中になってしまうだろう。
紅葉学園の生徒は、参加度が高くても学業は確実にこなす。毎月試験があり、不合格や基準未達の場合は即退学となるからだ。
生徒たちは軽重を知っているので、自然と分別がある。
そして……
紅葉学園には芸術科があり、これらの芸術科の生徒たちは将来芸能界に進む予定だ。ユニバースメディア株式会社が紅葉学園を選び、紅葉学園も同意したのは、きっとこれらの芸術科の生徒たちのことを考慮したからだろう。
芸術科の生徒たちにとって、この業界に触れる機会を与えることになる。
「海斗さん、その情報は確かなの?」鈴木てんいちは目を輝かせた。このようなイベントには、通常有名スターが登場するからだ。
やはり彼らは若く血気盛んな若者で、時には好きなスターがいるものだ。
例えばセクシー女神とか、仙女お姉さんとかいったスターたち。
風間海斗は興奮した様子の鈴木てんいちを見て、金縁眼鏡を押し上げながら言った。「俺の言葉を信じないのか?だったら、お前の女神も参加するかもしれないという情報を教えるべきかどうか考えないとな。」
「なに?安藤間も来るって?本当?本当なの?」鈴木てんいちは安藤間のファンだった。
実際、安藤間のファンは鈴木てんいちだけではなく、多くの男子生徒が好きだった。安藤間の小柄で可愛らしい性格は人々の心を掴み、まるで隣の妹のような存在だった。
杉本瑠璃はそれを聞いて風間海斗を見たが、それは安藤間の名前を聞いたから少し耳を傾けただけだった。