第266章 お前らの目を潰してやる!(10)

杉本瑠璃と三島悠羽は、三島おじいさまが突然口を開いたのは、三島颯真に下りる階段を作るためでもあることを知っていた。

先ほどの三島颯真が言いかけた言葉を遮ったのだ。

もし本当に水瀬玲奈の怪我の治療に十億円もかけたら、三島家は笑い者になってしまうだろう。

もちろん、三島おじいさまにはもう一つの考えがあった。

これは杉本瑠璃も予想していなかったことで、おじいさまの心の中から読み取ったものだった。

【あの時、源光希は悠羽を産むために、自分の命を捨てる覚悟までしていた。当時の三島家は源光希のために何もできなかった。今日、水瀬玲奈のちょっとした怪我のために十億円も使うなんて、源光希に申し訳が立たない!】

三島おじいさまの考えを読み取った後、杉本瑠璃は決意した。もうこのおじいさまを刺激するのはやめよう。少なくとも、このおじいさまは本当に素晴らしい人だ。