第276章 お前らの目を潰してやる!(20)

安藤間は杉本瑠璃が誰なのか分からなかったが、名前にどこか聞き覚えがあるような気がした。一方、水無瀬元宗は杉本瑠璃のことを認識していた。

その日、Loyaの個室で、杉本瑠璃は山口健太が特別に招待したゲストで、彼らの会話から、杉本瑠璃は山口家の恩人らしかった!

山口健太に恩人として扱われるというのは、相当な面子だ。

杉本瑠璃は山口健太の恩人で、山口健太は彼らの大ボスだ。彼らタレントは完全に山口健太に生計を依存している。

「安藤間さん、そこまでにしておいた方がいいよ。やり過ぎだよ」

水無瀬元宗は小声で注意したが、今はこれだけの人がいるので、これ以上は言えなかった。

しかし安藤間は何様のつもりだ。なぜ彼女が止めなければならないのか?

今ここで止めたら、むしろ後ろめたさがあると思われかねない。