「まず最初の評価について説明させていただきます。第一回目の評価は、明日にハイキングとキャンプを行うことに決めました。キャンプでの皆さんの振る舞いを見て、最初の採点を行います。このような評価は全部で3回あり、3回の合計点で上位5名がユニバースメディアの練習生となります」
水無瀬元宗は真面目な表情になると、確かに先生らしく見えた。
水無瀬元宗の説明が終わると、1組の生徒たちは少し興奮していた。第一回目の評価がハイキングとキャンプだとは思ってもみなかったのだ。
この年齢の若者にとって、オーディションは人生の重大な出来事ではあるが、オーディションが遊びの中で行われるのなら、それは彼らにとってとても嬉しいことでもあった。
意外なことに、安藤間も彼女のグループを連れてやって来た。杉本瑠璃を一瞥した後、安藤間は水無瀬元宗に向かって「私たちのグループも一緒にさせてください」と言った。
水無瀬元宗も特に反対はしなかった。安藤間がそう提案したのなら、反対する理由もなかった。
ついでに二人で密かに恋愛もできるし、一緒にいられる機会があるのも悪くない。
「いいですよ。私たちの組はハイキングとキャンプを予定していて、キャンプの過程で皆さんの様子を観察して、採点します」
水無瀬元宗は先ほどの説明を繰り返した。安藤間のグループの生徒たちも、1組の生徒たちと同様に興奮していた。
斎藤きくこは最初とても喜んでいたが、その安藤間が無理やり水無瀬元宗の組に入ろうとするのを見て、途端に興味が半減した。
幸い彼女は安藤間の組ではなかった。さもなければ、安藤間のあの性格では、きっと斎藤きくこは選ばれなかっただろう。
解散する時、水無瀬元宗はわざわざ杉本瑠璃を呼び止めた。安藤間もちょっと驚いて、その場を離れずに立ち止まって見ていた。
「杉本さん、もし私の記憶が正しければ、私たちは以前お会いしたことがありますよね?」水無瀬元宗は既に杉本瑠璃だと分かっていたが、もう一度確認したかった。
安藤間は水無瀬元宗の言葉を聞いて、顔が急に曇った。杉本瑠璃を見る目つきにも警戒心が浮かんでいた。
水無瀬元宗はどういうつもりなのか?既に自分がいるのに、まだあの杉本瑠璃に手を出そうとしているのか?