第287章 お前らの目を潰してやる!(31)

杉本瑠璃は話をした人を一瞥した。彼らのチームのメンバーではなく、隣の安藤間チームの人だった。

男子学生で、正義感に満ちた表情をしていたが、口から出る言葉は下品そのものだった。

彼が先導すると、みんなも気づき始めた。確かに、杉本瑠璃と斎藤きくこのテントだけが二人用テントだった。

今、斎藤きくこのテントで鈴木てんいちが見つかったということは、二人が昨夜同じテントで寝ていたということ。そうなると、杉本瑠璃のテントにも...誰かいるのではないか?

すぐさま、何人かが杉本瑠璃のテントを覗き込もうとし始め、あとはテントを開けて中を確認するだけという状態だった。

杉本瑠璃は自分の弁解も、斎藤きくこの弁解もせず、ただその男子学生を見つめて尋ねた。「あなた、私たちのチームの人じゃないですよね?」

男子学生は少し戸惑った。このとき一チームの学生たちも、この男子が確かに自分たちのチームの人間ではないことに気付いた。ただ、先ほどの発見があまりにも衝撃的で、そんなことまで気にする余裕がなかっただけだ。

男子学生は一瞬動揺したものの、すぐに正義感あふれる表情に戻して言った。「そうです、僕は一チームの人間じゃありません。でも、それがどうしたんですか?今捕まったのは僕じゃなくて、彼らでしょう!こんな恥知らずな行為をするなんて、私たち全員への侮辱です!」

男子学生はこの件を大きく取り上げ、全員を自分と同じ立場に立たせようとしていた。

斎藤きくこは腹が立って仕方がなかった。二人は説明しようとしたのに、突然誰かがテントに入ってきて、二人とも今でもまだ混乱した状態だった。

言ってみれば、二人も驚かされて目が覚めたばかりで、まだ頭が回っていない状態だった。

杉本瑠璃は少し笑って言った。「それは面白いですね。あなたは一チームの学生でもないのに、斎藤きくこも鈴木てんいちも知らないはずなのに、早朝から私たちがまだ目覚めていない時に、こっそり斎藤きくこのテントに入って何をしようとしていたんですか?」

この男子学生がユニバースメディアの練習生になるため、安藤間を喜ばせるためにこんなことをしたのなら、彼女が容赦ないのも仕方ない。

えっ?