第291章 お前らの目を潰してやる!(35)

すると、周りの人々は皆、杉本瑠璃を見つめた。彼らは応急処置の方法を全く知らなかった。

他校の生徒たちは斎藤きくこが何故杉本瑠璃に尋ねたのか分からなかったが、紅葉学園の生徒たちは理解していた。杉本瑠璃が三島グループの三島様の専属医師であることは、公にされていたからだ。

三島様の専属医師を務められるということは、その医術は間違いなく優れているはずだ。

杉本瑠璃は相澤光洋の状態を観察し続け、眉をしかめた。斎藤きくこの言う通りで、たとえ簡単な処置をしたとしても、彼は助からないかもしれない。

ここは遠すぎる。病院に運ぶ途中で、命を落としてしまうだろう。

「大丈夫です。皆さん、散って下さい。ここに集まっていると空気の流れが悪くなります。」まず周りの人々を散らし、少し空間を作った。