第311章 威風堂々(15)追加分

これらの人々を一堂に集めることは、ほぼ不可能なことだった。

しかし三島悠羽は、それを易々と成し遂げた。

最も重要なのは、これらの一流の匠たちがここに集まったのは、世界の注目を集める特別な建造物を建てるためでもなく、王侯貴族のために宮殿を建てるためでもなく、さらにはトップレベルのデザインコンテストに参加するためでもなかった。

ただ純粋に、杉本瑠璃のために温泉を作るためだけだったのだ!

もし建築業界の人々がこれを聞いたら、きっと笑い転げて、こんなことが起こるはずがないと信じないだろう。

杉本瑠璃は興味を持ち、横を向いて三島悠羽に笑いながら尋ねた。「へぇ?じゃあ、もし私が宮殿を建てたいと思ったら、どのくらいかかるの?」

三島悠羽は少し考え込んだ様子で、この質問について熟考しているようだった。約30秒ほど経って、ようやく答えた。「宮殿の大きさにもよりますが、1週間から2週間程度でしょう」

ぷっ!

杉本瑠璃は目じりを何度か痙攣させ、三島悠羽はまさに神人だと感じた。

いや、人間ではないと言うべきだ。

世界の大国でさえ、このような能力は持っていないはずだ。

彼女の知る限り、そういった建造物は完成までに1年や半年はかかるものだ。国家の力でさえ、三島悠羽一人の力に及ばないというのか?

なんだか...少し大げさすぎる気がした。

三島悠羽は杉本瑠璃の心中を察し、笑いながら言った。「物事には、個人の能力とは関係なく、実行力が関係することがあります。諺にもありますように、金で鬼も動くものです」

杉本瑠璃はしばらく考えて、三島悠羽の言わんとすることを大体理解した。

実際、これらの人々がこれらの仕事を完遂できないわけではなく、主に金銭が適切に支払われるかどうかの問題だった。

大規模な建造物の建設が遅いのは、本当にそれだけの時間が必要だからではない。

むしろ...多くの要因が絡み合っているのだ。一日の仕事に一日分の給料、一年かけて完成させれば一年分の給料になる。

同じ作業量なら、一日分の給料で済ませる必要はなく、できるだけ長引かせた方が得なのは当然だ。

なるほど、ある意味で、三島悠羽はまた杉本瑠璃に一つの教訓を与えたようだ。

「先に温泉に入ってください。私は安神醒脳のお茶を入れてきます」