杉本瑠璃が中の報道内容を読み終えると、笑いが止まらなくなった。
さすがにこの新聞社の編集者は凄いと言わざるを得ない。この記事の内容は生き生きとして、非常に臨場感があった。
水瀬玲奈の昔の黒歴史をいくつか暴露したが、新聞社も非常に慎重で、特に大きな汚点は暴露せず、道徳面での小さな黒歴史だけを選んで取り上げた。
三島家を完全に敵に回すことなく、水瀬玲奈を貶めることができた。
もし三島家が本当にこの報道のせいで新聞社を攻撃したら、それは逆に水瀬玲奈の不品行を認めることになってしまうではないか?
とにかく三島家はここ数日この件で頭を悩ませており、みんな顔色が良くない。おそらく彼女と三島悠羽の二人だけが、こんなにのんびりしていられるのだろう。
「あまり喜んでいないで、水瀬玲奈の誕生日会に私たちも行かなければならないよ」
以前なら、三島悠羽はこういうことは気にせず、行かないと言えば行かなかっただろう。
しかし今年は、彼には新しい考えがあった。
水瀬玲奈の誕生日に、杉本瑠璃を連れて行かないほうが、かえって水瀬玲奈の面子を立てることになる。
彼が行かないと、水瀬玲奈は毎年の誕生日をかなり順調に過ごしているようだが、今回は「二夫人」事件があり、さらに杉本瑠璃の攻撃力も加わって、三島悠羽は確信していた。今回の水瀬玲奈の誕生日パーティーは、きっと非常に面白いものになるだろうと。
「まさか?本当に行くの?」杉本瑠璃は自分の鼻を指さした。彼女はこのような場面、このようなパーティーには、三島悠羽の性格からして、絶対に行かないと思っていた。
前回のパーティーでは、三島悠羽は出席したものの、専用の活動エリアがあり、女性の立ち入りは許可されていなかった。
後で彼女を連れて帰る時も、パーティーに参加していた女性たちを脇に追いやらせた。これは杉本瑠璃が実際に経験したことだった。
「もちろん本当だよ。どうした、行きたくないのか?」三島悠羽は軽く笑ったが、冗談を言っているわけではないことは明らかだった。
「あなたがそういうパーティーは好きじゃないと思ってたわ。しかも今回は水瀬玲奈の誕生日という名目で。でも...あなたの意図は大体わかったわ」
杉本瑠璃は非常に狡猾な笑みを浮かべ、ある意味では三島悠羽とそっくりだった。