第346章 杉本グループ(30)

「へぇ?それは残念ですね。私がその強情な人間ですから」

杉本瑠璃は水瀬英明に全く顔を立てず、水瀬英明は態度を一変させ、表情を完全に曇らせた。

「ふふ、言っておくが、Y市では私が手を出せない人間などいない。おとなしく私の女になれば、これからの生活は十分快適にしてやる。その紅葉学園なんて行かなくてもいい。どうだ?」

杉本瑠璃は冷笑を浮かべた。この水瀬英明は本当に焦りすぎて、もう本音を隠さずに言い出した。

彼女を自分の女にしようだなんて……

三島悠羽が知ったら、この水瀬英明が男として生きていけるかどうかも怪しいものだ。

杉本瑠璃は眉を少し上げ、軽蔑的な声で言った。「へぇ?あなたはY市でそんなに偉いんですか?」

水瀬英明は杉本瑠璃が自分の言葉に心を動かされたと思い、すぐに得意げに言った。「当然だ!Y市で水瀬家を知らない者などいない!お前たちは社会に出たことのない小娘だから、水瀬家のことを知らないだけだ。ふふ、外に出て誰でもいいから捕まえて聞いてみろ。水瀬家がどんな存在か分かるはずだ」