「へぇ?それは残念ですね。私がその強情な人間ですから」
杉本瑠璃は水瀬英明に全く顔を立てず、水瀬英明は態度を一変させ、表情を完全に曇らせた。
「ふふ、言っておくが、Y市では私が手を出せない人間などいない。おとなしく私の女になれば、これからの生活は十分快適にしてやる。その紅葉学園なんて行かなくてもいい。どうだ?」
杉本瑠璃は冷笑を浮かべた。この水瀬英明は本当に焦りすぎて、もう本音を隠さずに言い出した。
彼女を自分の女にしようだなんて……
三島悠羽が知ったら、この水瀬英明が男として生きていけるかどうかも怪しいものだ。
杉本瑠璃は眉を少し上げ、軽蔑的な声で言った。「へぇ?あなたはY市でそんなに偉いんですか?」
水瀬英明は杉本瑠璃が自分の言葉に心を動かされたと思い、すぐに得意げに言った。「当然だ!Y市で水瀬家を知らない者などいない!お前たちは社会に出たことのない小娘だから、水瀬家のことを知らないだけだ。ふふ、外に出て誰でもいいから捕まえて聞いてみろ。水瀬家がどんな存在か分かるはずだ」
水瀬英明は水瀬家のことを話すと、自分がどれほど偉大か感じ、非常に誇らしげだった。
「小娘よ、よく考えろ。今日はな、お前が望もうが望むまいが、私のものにする!自ら従えば一番いい。従わないなら、ふふ、ここでどうにかする方法もあるんだぞ!」
水瀬英明は非常に強い口調で言った。普通の女の子なら、とっくに魂が抜けてしまっているだろう。
杉本瑠璃は相変わらず先ほどと同じ様子で、むしろ笑いを浮かべた。「どんな方法があるんですか?私が嫌だと言っているのに、強引にでも?それは違法ですよ」
杉本瑠璃の機嫌は特に良さそうで、彼を一蹴で蹴り飛ばすのではなく、こんな無駄話に時間を費やす気になっているようだった。
「はははは、違法だと?はははは、小娘よ、お前は世間知らずすぎると言っただろう。Y市では、私が何をしようと違法なんてことはない!それに、お前が初めてじゃないんだ。見ろ、このソファーで、私は多くの美女を手に入れてきたんだ!もちろん、お前が上手く仕えてくれれば、私の側に置いてやってもいい。どうだ、決心はついたか?」
水瀬英明は今や完全に本性を現し、何でも言うようになった。どうせここには杉本瑠璃しかいないのだから、言えないことなどない。