第347章 杉本グループ(31)追加分

羽田和彦は相変わらずだらしない様子で、以前と同じような姿だった。真っ赤な服装が、彼をより一層妖艶に見せていた。

目尻が少し細められ、危険な曲線を描いていた。

水瀬英明はもちろん羽田和彦を知っていた。この界隈で、誰が羽田和彦を知らないだろうか!

しかも、ここは羽田和彦のテリトリーだった。

水瀬英明も名家の子息ではあったが、身分や地位で言えば、確実に羽田和彦には及ばなかった。

羽田和彦は帝都四公子の一人だ。水瀬英明はせいぜいY市で少し顔が利く程度で、羽田和彦と比べれば、一段低く見られるのは明らかだった。

それに、羽田和彦は羽田家の唯一の後継者だ。一方、水瀬英明には何人もの兄弟姉妹がいて、長男でもない。家での立場で比べても、羽田和彦には到底及ばなかった。

水瀬英明は最初はちょっと卑劣な態度を取っていたが、今や羽田和彦が入ってきたので、すぐに先ほどの態度を改め、真面目な顔つきになった。