斎藤きくこは呆然としていた。杉本瑠璃がなぜここに残りたがるのか分からなかったが、心配だったものの、杉本瑠璃が行かないと言うからには、彼女も行くわけにはいかなかった。
もういい、行かないなら行かない!
彼女も正義を求めるために残ることにした。理由もなく連れてこられたのだ。何も起こらなかったとはいえ、今日杉本瑠璃がいなければ、どうなっていたか分からない。
「ふふ、お前たち二人は全然心配してないようだな。ふん!一時的に油断して失敗したからって、天下無敵だと思うなよ。ここは俺の縄張りだ。後でお前たちに見せてやる!」
メクラさんは半蹲踞の姿勢で、お尻を突き出し、とても滑稽な格好をしながら、杉本瑠璃を脅す言葉を吐いていた。
杉本瑠璃は軽く唇を歪め、「へぇ?後でどんな目に遭わせるのか、楽しみですね」