第362章 私が道場破りに来た!(6)

三島悠羽は「妻に尽くす亭主」という言葉が悪いものだとは全く思っていなかった。「妻に尽くす亭主になりたくても、まず妻がいなければならないだろう。その味わいは、妻のいる人にしかわからないものさ。君みたいな妻のいない人には、きっと理解できないだろうね」

プッ!

羽田和彦は呆然と三島悠羽を見つめ、ようやく気づいた。三島悠羽は自分に妻がいることを自慢するだけでなく、彼にとっては露骨な打撃だったのだ!

「誰のことを言ってるんだ!誰が妻を見つけられないって?俺様が女性を求めれば、手招きする必要もなく、大勢の女性が自ら押し寄せてくるんだぞ!」

羽田和彦が即座に反論すると、三島悠羽は頷いて、もっともらしく言った。「うん、それは確かにその通りだ。でも、あまり羽目を外しすぎないように気をつけろよ。後で大勢の女性が子供を抱えて押しかけてきたら、君の将来の妻が悲しむことになるからね」

プッ!

羽田和彦は思わず吹き出しそうになった。なぜ子供の話まで出てくるんだ!

「心配するな、遊びなんだから、そんなことで混乱するわけないだろう。そうでなきゃ遊べないじゃないか!」

羽田和彦がそう返すと、三島悠羽は軽くため息をついて、「奥様、私は本当に絶品の良い夫だと気づきました。大切にしてくださいね」

プッ!

羽田和彦はようやく、杉本瑠璃がまだ傍にいることを思い出した。さっきまで彼の心と精神は三島悠羽に持っていかれていたのだ。

話も知らないうちにどれだけ脱線していたか。先ほどの自分の言葉を振り返り、羽田和彦は杉本瑠璃を盗み見て、顔が赤くなるのを感じた。

本当に...恥ずかしすぎる。

どうして杉本瑠璃の前であんな言うべきでない言葉をたくさん口にしてしまったのだろう?

せっかく積み上げてきたイメージが、ほんの一瞬で崩れ去ってしまった。

最も重要なのは、それが自分自身の手で壊してしまったということだ。

ああ!もう希望は完全に失われた。杉本瑠璃の前で、もはや何の思いも抱くことができなくなってしまった。

三島悠羽はわざとだったのではないだろうか?

羽田和彦は三島悠羽を見た。普段なら三島悠羽はこんな些細なことを彼と話し合うことはないのに、今日はなぜ突然こんな話をするのだろう。