第370章 私は道場破りに来ました!(14)

プッ!

みんな今の聞き間違いじゃないよね。清水翔太が今なんて言ったの?

清水翔太さんが、もし水瀬霧乃たちが女性じゃなかったら、自分も酒をかけたくなったと言ったなんて。

これは...あまりにも衝撃的すぎる!

ふふ、清水翔太さんにこんなことを言わせるなんて、やはり...清水翔太さんは何か知っているようだ。

水瀬玲奈の表情が曇った。清水翔太がまさか若い女の子たちの問題に介入するとは思わなかった。

三島颯真のような人は、こういったことに口を出すのを好まない。品位を下げると考えるからだ。

なぜこの清水翔太は杉本瑠璃を助けようとするのか?彼女には理解できなかった。

もちろん、これは水瀬玲奈が以前のパーティーに出席していなかったため、清水翔太が実は杉本瑠璃に別の思いを抱いていることを知らなかったからだ。

今日、もし他の人だったら、清水翔太はこんな人たちと無駄話をするつもりはなかっただろう。しかし、主役が杉本瑠璃だったから、当然立ち上がったのだ。

杉本瑠璃も清水翔太の気持ちを理解していたからこそ、清水翔太を巻き込んだのだ。

彼女に近づきたい、彼女に頼みごとをしたいなら、まず彼女を助けなければならない。

「ゴホンゴホン、清水さんは本当に冗談がお上手ですね!」

水瀬玲奈は少し気まずそうに、清水翔太が冗談を言っているだけだと軽く流した。

清水翔太は水瀬玲奈を一瞥したが、今日が水瀬玲奈の誕生日だからといって彼女の顔を立てることはしなかった。

水瀬玲奈は三島颯真の妻であって、自分の妻ではない。水瀬玲奈の顔色を伺う必要はないのだ。

たとえ自分の妻だったとしても、自分の行動を左右する力はない。

「冗談?私、清水翔太は商売を始めて数十年、冗談を言うなどと言われたことは一度もない。三島夫人が初めてだ。」

水瀬玲奈は口角を何度か引きつらせ、干笑いを一つ漏らし、面目を失い、立場が悪くなったと感じた。

「私の言葉が足りませんでした。清水さん、どうかお気を悪くなさらないで!私が言いたかったのは、若い者同士の戯れごとに過ぎないので、清水さんにご面倒をおかけする必要はないということです。」