「結構」水瀬玲奈は高貴に「結構」と一言言った。
水瀬英明はネックレスを取り出し、ダイヤモンドの輝きは非常に眩しく、皆にも見せた。
水瀬英明は今回本気を出した。以前、杉本瑠璃に搾取されて破産寸前だったが、それでもこの誕生日パーティーで、水瀬玲奈のために大金をかけて誕生日プレゼントを用意した。
理由は単純で、水瀬玲奈からお金を引き出すためには、まず自分からお金を投資する必要があった。
皆はその輝かしいダイヤモンドのネックレスを見つめ、水瀬玲奈の首に掛けられているのを見て、女性たちは多かれ少なかれ羨ましく思った。
杉本瑠璃は顎に手を当てながら、三島悠羽に向かって言った。「前回の搾取が足りなかったようね。水瀬英明はまだこんな高価なダイヤモンドネックレスを買える余裕があるなんて」
三島悠羽は同意して頷いた。「じゃあ...もう少し搾取する?」
杉本瑠璃は少し考えて、「うん、検討の余地はあるわね」
羽田和彦も杉本瑠璃たちと一緒に立っていたので、当然杉本瑠璃と三島悠羽の会話を聞いており、思わず目を白黒させたくなった。
彼は自分がかなり悪辣だと思っていたが、三島悠羽は彼以上だった。しかし今、彼は気付いた。最も悪辣なのは、彼でも三島悠羽でもなく、杉本瑠璃だということに。
くそっ!
すでに一億円も賠償金を取っておいて、まだ足りないと言うのか。
ちっ!
まさに...生まれながらのビジネスマン、商売をしないのは勿体ない。
しかし話は変わるが、水瀬英明の資産がこれほど厚いとは、これは彼が以前考えていなかったことだった。
彼は水瀬英明の実力では、一億円を何とか工面できれば、すでに破産寸前だと思っていた。しかし予想外にも、彼はまだ余裕があった。
それどころか、こんな高価なダイヤモンドネックレスまで買えるなんて。
まあいい、杉本瑠璃が搾取したければすればいい、どうせ自分のお金じゃないし、心配することもない。
「蒼ちゃん、どうやって搾取するつもり?手伝いが必要?僕は喜んで協力するよ」
搾取なんて、羽田和彦大好きだった。
「私の面白がる様子を見るのは有料よ。羽田様はいくら払うつもり?」杉本瑠璃は微笑みながら眉を上げて羽田和彦を見た。羽田和彦の目じりが何度か痙攣した。