第389章 私は道場破りに来ました!(33)

皆の注目は、再び杉本瑠璃に向けられた。今日は三島家の二人の嫁の争いの大勝負だと思われていた。

ただし、一方は年上で、もう一方は年下だった。

誰がより強く、誰がより確固たる地位を築けるのか、それを見守るだけだった。

今日は本来、水瀬玲奈が不利な立場にあった。結局のところ、水瀬玲奈は先ほどまで面目を失っていたのだから。

今回の水瀬玲奈は自信満々のようだった。そうでなければ、杉本瑠璃に立て続けに負けた後でも、また杉本瑠璃に挑もうとはしないはずだ。

杉本瑠璃がどう対応するか、そして水瀬玲奈にどんなプレゼントを用意しているのかを見守るだけだった。

杉本瑠璃も怯むことはなかった。水瀬玲奈がプレゼントが欲しいのなら?ふふ、望みを叶えてあげよう。

杉本瑠璃は前に出て、水瀬玲奈を一瞥した。「これがあなたへのプレゼントです。希望通り...驚きになることを願っています」

実は、杉本瑠璃は本当にプレゼントを用意していなかった。彼女と三島悠羽が来ただけでも、十分に面子を立ててやったというものだ。

この水瀬玲奈が、よくも彼女にプレゼントをねだる厚かましさだこと。

ふん、夢見がちにも程がある!

水瀬玲奈は杉本瑠璃が何かしらのプレゼントを出すと思っていたが、杉本瑠璃から受け取ったのは、ただの普通の紙切れだった。

水瀬玲奈は眉をひそめた。この杉本瑠璃は何のつもりだ?いくら安物でも、一枚の紙を贈るなんて。

一枚の紙を贈られて不審に思いながらも、水瀬玲奈はその紙を開いた。

一目見た途端、目を見開いて息を飲み、完全に動揺してしまった。

こ...これは何だ!

まさか!

杉本瑠璃は水瀬玲奈の表情を非常に満足げに眺めていた。周りの人々も驚き、そして好奇心に駆られていた。

この紙には一体何が書かれているのか、水瀬玲奈をここまで動揺させ、その場で固まらせるものとは。

「私を愚弄しているの?」水瀬玲奈はしばらくしてようやくそう言った。

杉本瑠璃は微笑んで、「まあ?あなたを愚弄する暇なんてないわ。本物か偽物か知りたければ、簡単に確かめられるでしょう?」

水瀬玲奈は眉をひそめながら、紙を見下ろし、そして横で事情が分からない様子の水瀬英明を見上げた。

「英明、こっちに来なさい」

水瀬英明も戸惑い、なぜ水瀬玲奈が自分を呼んだのか分からなかった。