羽田和彦は杉本瑠璃を見つめながら、意地悪そうに言った。「蒼ちゃん、今日は誕生日パーティーに来たんじゃなくて、道場破りに来たみたいだね」
杉本瑠璃は遠慮なく笑いながら、素直に認めた。「その通り。私は誕生日パーティーに来たんじゃなくて、道場破りに来たの」
羽田和彦は杉本瑠璃に向かって親指を立てた。「さすが期待の新星だ。実力も潜在能力もある」
「お褒めの言葉、恐縮です」
杉本瑠璃はパーティー会場を見回し、三島悠羽の方を向いて尋ねた。「あなたが言っていた見物、いつ始まるの?」
「もう終わったよ」三島悠羽は淡々と答えた。
終わった?
杉本瑠璃は少し戸惑った。「いつ始まったの?私、まだ見てないのに、もう終わったの?」
「私は見たよ」
三島悠羽は微笑み、さっきの出来事に満足しているようだった。