杉本瑠璃は頷いた。「そうよ!夫を殺そうとしているの。どう?何か意見ある?」
三島悠羽は首を振った。「意見はないよ。でも、愛する妻が未亡人になるのは忍びない。どうしたらいいかな?」
杉本瑠璃は白目をむいた。「口先だけね!」
「これは情熱的な表現じゃないの?愛する妻よ、僕はあなたとどこまでも行きたいんだ。だから...殺したいなら、僕じゃなくて、他の人を見つけてあげるよ。どう?」
杉本瑠璃は思わず吐血しそうになった。本当に彼はよく考えつくものだ。他の人を殺させるだって?彼女を何か殺人鬼だと思っているのか?
「もういいわ。そんな趣味はないから」
杉本瑠璃はきっぱりと断った。
「それが好きじゃないなら、じゃあ...クズを懲らしめるのはどう?」
三島悠羽は杉本瑠璃のことをよく理解していて、彼女の好みを知っていた。そして今、ちょうどそのような機会があった。
杉本瑠璃の唇が少し曲がり、目が細くなった。「もしかして、何かしたの?」
「さすが妻は賢いね。でも僕は直接手を出したわけじゃない。ただ少し波風を立てただけさ」
杉本瑠璃は三島悠羽を横目で見た。彼の言う「波風を立てる」?ふん、火に油を注がなければいいけど。
翌朝早く、芸能界は大騒ぎになった。
国内芸能界の重大ニュースが次々と爆発的に広まり、ユニバースメディア株式会社が即座に危機管理広報を行っても、状況を抑えることはできなかった。
事態はますます深刻化し、拡散範囲は非常に広く、全国の主要メディアが競って最新情報を報道していた。
この事件はもはやY市のメディアだけの関心事ではなく、全国的な問題に発展したようだった。
ただし、ヘッドラインは斎藤きくこから安藤間へと変わっていた。
斎藤きくこはあくまでユニバースメディアの練習生に過ぎず、メディアが注目しても、その力は大きくはなかった。
今や安藤間についての大きなニュースが出てきて、誰がまだデビューもしていない練習生の斎藤きくこを追いかけるだろうか?
安藤間のニュースは、一つ一つが前のものより衝撃的だった。
まず最初に、斎藤きくことメクラさんの写真は安藤間が人を雇って撮らせたものだという暴露があった。
最初、安藤間の所属事務所はそれを噂だと否定していたが、すぐにこの暴露をした人物が名乗り出た。