杉本瑠璃も三島悠羽との口論を続けなかった。彼女がさっきあんなに急いで出かけたのは、薬草堂へ行って薬材を取りに行ったからだった。
彼女は鍼灸術で三島悠羽の体調を整えることができるが、彼の状態は今かなり深刻なので、さらに漢方薬の助けも必要だった。
先ほど戻ってきたとき、朝日執事に出会い、杉本瑠璃は薬を煎じることについての指示を朝日執事に伝え、すでに朝日執事に薬を煎じさせていた。
すぐに、朝日執事は煎じた薬を持ってきたが、表情はやや恐ろしげだった。
この薬の匂い……本当に魂を抜くようだ!
今日は、若様が本当に苦労することになりそうだ。朝日執事はこの薬を味わったことがなくても、匂いだけでこの薬がどれほど不味いかは判断できた。
朝日執事が薬の入った椀をベッドサイドテーブルに置くまで、三島悠羽がこれを飲めるかどうか心配し続けていた。