第445章 Y市の風雲人物(五)

もちろん、杉本瑠璃は****ではなく、三島悠羽に服を脱がせたのも、ただ鍼をするためだった。

以前は鍼をする時、三島悠羽が湯船に浸かっているだけで良く、薬を飲む必要はなかった。

しかし今は状況が特殊で、三島悠羽は短時間で体力を消耗してしまったため、治療には以前の方法が使えない。

そのため、薬物を併用する必要があるのだが、この薬がどれほど不味く、飲み込みにくいかは杉本瑠璃がよく知っていた。

だからこれまで彼女は三島悠羽に薬を飲ませず、できるだけ彼に苦痛を与えないようにしていた。

しかし今は状況が違い、三島悠羽も我慢するしかなかった。

もちろん、三島悠羽も杉本瑠璃が鍼をするためだと理解していた。これまで長い間杉本瑠璃に治療されてきたので、彼女の診療方法についてはよく知っていた。