第446章 Y市の風雲人物(六)

杉本瑠璃は気を失ってから一日一晩経ち、翌朝になってようやく目を開いた。

目覚めたものの、まだ体全体が少し疲れているように感じた。

「目が覚めたか?」

杉本瑠璃がこめかみをさすっていると、三島悠羽の声が聞こえた。

「うん。」

疲労のせいか、杉本瑠璃の声はかすれていた。

三島悠羽の瞳が少し暗くなり、杉本瑠璃をしばらく見つめてから、手に持っていた椀を差し出した。

「まずはスープを飲みなさい。もう一日一晩も眠っていたんだから。」

杉本瑠璃はまだ少しぼんやりしていて、自然に三島悠羽から椀を受け取りながら言った。「一日一晩?そんなに長く寝ていたの!」

「寝ていたのではなく、気を失っていたんだ!」

三島悠羽の口調は明らかに良くなかった。杉本瑠璃もそれを感じ取り、顔を上げて三島悠羽を見て、遠慮なく言った。「それもこれも、ある患者が言うことを聞かないからでしょ!」