第457章 Y市の風雲人物（17）

しかし、彼らが期待していた見世物は起こらなかった。杉本瑠璃はただドアをノックして、「おじいさま、私です、瑠璃です」と言った。

すると、階下の人々は杉本瑠璃がドアノブを回し、書斎に入っていくのを見た。

水瀬玲奈は首を伸ばして、杉本瑠璃が恥をかくのを待っていたが、結局...何も起こらなかった。

杉本瑠璃はそのまま中に入っていった。

追い出されることもなく、そのまま入っていったのだ。

水瀬玲奈たちはしばらく待ったが、何の動きもなかった。このとき、彼らはようやく理解した。杉本瑠璃は本当に中に入ったのだ。しかも、三島おじいさまと百合が話している時に。

杉本瑠璃がドアを開けると、中にいる人々が見えた。

三島おじいさまは自分の椅子に座り、服装も雰囲気も非常に成熟した女性が、三島おじいさまの向かいに座っていた。