020青紐が宮廷に入り、本物の梁体字_3

言い終わると、彼は笑いながら説明した。「優香さんの誕生日が近いので、中村社長から彼女へのプレゼントを一つ見つけるように言われています。」

話しながら突然白川華怜を見かけ、秘書長は咳払いをして、それ以上話すのを控えた。

中村優香は田中駆と一緒に座っていた。二人とも初めてのオークション会場で、落ち着かない様子で会場のものを色々と見て回っていた。秘書長の声を聞いて、優香は無関心そうに言った。「なんでいつもこういうものばかり買うの?前に買ったのもまだ使ってないのに。」

秘書長は微笑んで、それ以上は言わなかった。「必要なものですから。」

「700」と3階から重々しい声が響いた。

その声を聞いて、白川華怜は思わず3階を見上げた。

まるでゾウリムシのような声だ。

価格を500から一気に700万まで引き上げた。

700万は、コレクターグレードのレッドベリルとしては特別高いわけではない。

しかし中村家の予想を超えており、秘書長は尋ねるように中村修を見た。

中村修は首を振った。「もういい。3階の貴賓席の方々とは争えないだろう。」

彼らの中村家にはそこまでの資本力はない。

レッドベリルはこうして3階の人の手に渡った。

オークション品は次々と出品され、白川華怜はもう気にしていなかった。3階の個室からもそれ以上声は聞こえなかった。

その間、中村修は別の書画を落札した。

最後のオークション品が現れると、安藤宗次を含む全員が姿勢を正し、オークション台から目を離さなかった。

中村優香もグループチャットでの写真投稿を止めた。

9時半。

チャイナドレスを着た背の高いオークショニアは優雅に微笑んで言った。「皆様が何を待っているのかわかっています。ご安心ください。今回のラストアイテムは決して皆様を失望させることはありません。」

そう言いながら、彼女は後ろの赤い布を手で取り除いた。

丁寧に保存された掛け軸が全員の前に現れた。それは豪快に書かれた一首の詩だった——

【老将魂帰る処、今朝酔いて觴を飲む。

長亭十里短く、寒甲血冷めがたし。

此れより歧路を行き、青缨庙堂に入る。

長槍浪に倚りて起き、筆鋭く鋒芒を試む。

——《長亭·送軍行》】