これは白川家の人の真筆なのか、それとも白川さんのものなのか。田中家はこんなに貧しいのに1億円も集めた。もし老人が体調を崩して入院していなければ、彼は自らこのオークションに来て、この真筆を江渡に持ち帰っていただろう。
木村浩は立ち上がり、田中局長に軽く頷いて、極めて冷静に言った。「私があなたたちのために入札すると言いましたか?」
田中局長:「……え?」
違、違うのか?
田中局長は木村浩の冷たい表情を見て、何か言いたそうだったが、結局何も言えなかった。
**
白虎オークションはここで一段落となった。
スタッフは中村修が落札した品を1階の個室に運び、中村の秘書長がそれらを受け取り、一行は人の流れに沿って外に出た。
途中、秘書長は電話を受けた。「……何ですって?分かりました。」