014 宿題を提出して、点数をもらう

中村優香は冷たい表情を浮かべ、それ以上は何も言わなかった。

心の中では落ち着かない気持ちが渦巻いていた。

隣にいた田中駆はすでに気づいていた。彼は最初、白川華怜に気付かなかったが、中村優香の話を聞いて、あの夜道で見かけた人物だと思い出した。

中村家の何かしらの親戚らしい。

白川華怜が中村家のコネで特別クラスに入ったというなら、それほど意外でもない。

彼は頷いて、引き続き問題を解き続けた。

他の生徒たちは互いに顔を見合わせた。

特別クラスの生徒は全員、このクラスの目的を知っていた。

江渡大学予備枠アプリの枠だ。

ここに入れる生徒は実力者ばかりで、入学試験では数学が極めて難しく、理科総合は簡単な問題ばかりだった。ここにいる生徒の中には理科総合で満点を取った者が何人もいる。