「ああ」木村浩は椅子に寄りかかり、まぶたを少し閉じ、長い脚を優雅に組んで、眉目は影に隠れ、まるで目を休めているようだった。
明石真治と田中局長は二人とも何も言えなかった。
帰ってから、木村浩が何か言うと思っていた。
しかし、彼は直接二階に上がって...寝てしまったのか?
「えっ?白川さんは木村坊ちゃまに何も言わなかったんですか?」田中局長は明石真治を見ながら、困惑した様子で「木村坊ちゃまはなぜ寝に行ったんでしょう?」
田中局長だけでなく、木村浩に何年も仕えている明石真治も驚いていた。
木村浩はワーカホリックで、以前木村家が不安定だった時期は、学業と木村家の事務を両立させ、4日間連続で寝ないこともあった。
今は木村錦が代わりに木村家を管理しているが、いくつかの重要な研究室が重要な段階にあり、彼はまだ忙しかった。
木村家の問題で木村錦が解決できないことがあれば、彼のところに来ていた。
一晩中起きていて翌日も他の仕事をこなすのは、木村浩にとっては日常茶飯事だった。
今日、田中局長は早朝から明石真治に連絡して木村浩を探していたが、明らかに相談したいことがあったはずで、木村浩がそれに気付かないはずがなかった。
だから...
白川さんは一体何を言ったのだろう?
なぜ木村坊ちゃまは寝に行ったのか?
明石真治は頭をかきながら理解できず、あくびをして寝に行った。木村翼が昨夜一晩中起きていたので、彼も一緒に一晩中起きていたのだ。
クールに田中局長に自由行動を許可した。
田中局長は逆らえず、一人で黙々とホールに座っていた。
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図書館は、まだ早かったので人はあまり多くなかった。
白川華怜は二階で席を見つけて座り、まず木村翼のバッグを開けて、彼の大辞典を机の上に置いてから「どうぞ」と言った。
木村翼は彼女の隣に座り、黙々と本を読んでいた。
白川華怜が自分のノートを取り出した時、宮山小町からLINEが来た——
【今日、山登りに行くけど、来る?】
白川華怜:【図書館にいるよ】
宮山小町はクラスのグループでも、山登りに行きたい人がいるか聞いた。山田はまだ起きていなかったが、彼女の執拗なメンションで目が覚めた——
山田:【なんだよ、朝っぱらからお前の親父をメンションすんな】
宮山小町:【朝?バカ、お前の前の席の子はもう図書館にいるよ(笑)】