島田凜はこのようなことにすっかり慣れていて、体はとっくにこの痛みに免疫ができていた。
しかし今、軟膏を塗った部分が、かすかに痛みを感じた。
島田凜の腕の見える部分に薬を塗り終えると、白川華怜はティッシュを一枚取り出し、ゆっくりと指を一本一本拭き取り、そして蓋をしっかりと閉めた。
「持っておいて」彼女は薬の箱を島田凜の手に押し付けながら、淡々と言った。
島田凜は薬の箱を持ちながら、白川華怜を見つめて「これは...」
白川華怜は首を傾げ、足を組んで座り、人差し指で彼女が持っている緑の薬箱を空中で指し示し、意地悪そうに笑って言った:「見てわかるでしょ?無許可製品よ。あと2日塗り続けたら閻魔様に会えるわよ」
島田凜:「...」
しばらくして、彼女は小さな声で説明するように「私...階段から転んでしまって」
「うん、次は気をつけて」白川華怜は目を伏せ、本を取り出した。
この極めて冷静な口調が、信じているのか信じていないのか分からなかった。
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今日の最後の授業は化学だった。
普段は先生が問題集を解説していたが、今日は化学の先生が白川華怜を見て、最後の授業は生徒たちを実験室に連れて行き、化学の不思議さを体験させることにした。
実験室も総合棟にあり、3階で、人があまり来ないため。
年中陰気で寒かった。
先生は鍵を持って中に入り、高校の化学実験室はほとんど飾りのようなもので、使う人もほとんどおらず、器具が並べられていた。
白川華怜は他の生徒と一緒に入り、周りを見回した。
横にはガラスケースが置かれ、その中のガラス瓶には様々な化学物質の名前が書かれていて、ほとんど見覚えがなかった。
二人一組。
化学の先生は手袋をはめ、ビーカーを取り出し、希硫酸をゆっくりと注ぎ、硫酸銅を加えた。
透明な溶液が突然緑色に変化した。
化学の先生は白川華怜を見てから、ゆっくりとアルミホイルを加え、火をつけると、青い炎が瞬時に踊り出し、美しく壮観だった。
みんなが青い炎を見つめる中、化学の先生は彼らの反応に非常に満足していた。
彼は教壇に手をついて、白川華怜を見つめながら:「みんな、真剣に学べば、化学はとても面白いものです。物理や数学よりずっと簡単で...」
隣の宮山小町は顔を伏せて、笑いを堪えるのに必死だった。