061 江渡に到着、誰が本命なのか!(2更)

安藤蘭は無意識のうちに、午後に安藤宗次も釣りに行ったことを思い出した。

そばに魚を持っている人がいたような気がする……

安藤宗次は彼のことを田中くんと呼んでいた?

当時は混乱していて、安藤蘭はよく聞き取れなかった。考え直して自嘲的に笑う。何を考えているのだろう。

渡辺さんたちが話していた田中さんを、あんな怪しい連中と結びつけるなんて。

彼女と渡辺泉は渡辺和美のことを知っていた。

しかし中村修と田中湊はよく分からなかった。二人は目を合わせ、非常に驚いた。この女性は田中さんの行方をよく知っているようだ?

「彼と食事をしたいの?」渡辺和美は渡辺泉を見つめ、少し考え込んで、書道賞を受賞したら戻ってくるはずだと思い、「今度、私が彼に聞いてみるわ」と言った。

「それは最高だ!」渡辺泉は目を輝かせた。

彼にとって田中さんに一度会うことさえ難しいが、渡辺和美にとってはそうではない。

向かい側で、中村修と田中湊は顔を見合わせた。渡辺和美のその口ぶりからすると、田中さんとかなり親しいようだ。彼女の身分についてまた新たな理解が加わった。

渡辺和美は他の人には興味がなく、早めに食事を済ませて休みに戻った。

彼女が出て行った後、中村修は渡辺泉に酒を注ぎながら尋ねた。「さっきの女性は……」

「彼女?」渡辺泉も隠さなかった。陽城市に来たばかりで、この機会に自分の名を上げたいと思っていた。「私の旧友の娘で、書道協会の木原会長の弟子、渡辺和美さんだ。君たちは陽城市では聞いたことがないかもしれないが、江渡では名が通っている。今回の書道賞、知ってるだろう?彼女は間違いなく一等賞だ」

書道協会や木原会長のことは、中村修と田中湊はよく知らないかもしれない。

しかし書道賞については中村修は聞いたことがあった。

中村優香は今年、書道賞のノミネート枠に申請しようとしたが、加藤正則に断られた。しかしあの渡辺さんは一等賞を狙っているというのだ。

二人は心の中で計算を始めた。

**

安藤宗次の方では。

田中局長と伊藤は夕食に残った。

彼は夜に自ら料理を作り、魚の辛子煮、酸っぱい魚のスープ、手作りの魚団子スープを作った。

腕前は特別とは言えないが、家庭的な味だった。

田中局長は写真を撮ってSNSに投稿した——