070謎の外科医の神様!華怜の本性

白川華怜が病院に着いたのは、もう十時過ぎだった。

彼女は制服を着替えて、白い部屋着を着ていた。無表情で誰も見ずに、看護師について採血に向かった。

看護師が慎重に針を彼女の腕に刺すと、暗赤色の血が透明なチューブを上っていった。

半分ほど採血したところで、看護師が針を抜こうとした。

白川華怜は腕をテーブルに置いたまま、かすかに青みがかった血管が見えていた。ずっと伏せていた目を少し上げ、その瞳は深く冷たかった。そこで初めて言葉を発した。「続けて」

一言一言が氷のように冷たく砕けた。

看護師はこれ以上採血を続けると献血者の体に悪影響が出ることを知っていたが、白川華怜の眼差しに驚き、おびえながらさらに二本採血した。

最後に勇気を振り絞って「もう採血はできません」と言った。