071 八方から集まり、陽城市に集結（2）

田中局長はこの時、この天田社長がどうやって白川華怜の怒りを買ったのか聞く勇気がなかった。

「白川さん、ご安心ください」田中局長は頭をフル回転させながら言った。「人物調査なら任せてください。先祖代々まで徹底的に調べ上げます」

「はい」白川華怜は身を屈めてカバンを取り上げ、まつ毛を伏せたまま、ゆっくりと「ありがとうございます」と礼を言った。

田中局長は白川華怜に感謝されるのが恐ろしかった。

こんな些細なことだけで、白川華怜からもらった数々のアドバイスのおかげで、最近は順風満帆だったのだから。

彼はその場に立ち、白川華怜がバスに乗るまで見送った。

田中局長はやっと汗を拭い、思わず考えた。もし自分があの天田社長を知っていたら、白川華怜は自分も一緒に八つ裂きにするのだろうか？