附属中学校のあの連中は、二日間ろくに眠れず、全ての問題を審査し直したそうだ。
人間らしくしろよ。
ありがとう。
木村浩は返信を終えると携帯をしまい、白川華怜を見て「隣を見に行く?」と言った。
隣は既に閉鎖された形意道場だった。
白川華怜の思惑通りだった。
二人が隣の玄関に着いた時、浅黒い肌の中年男性が、スーツ姿の二人を追い出していた。「出て行け、売るつもりはない!」
11月に近づき、気温が下がってきていた。
ほとんどの人が上着を着ていた。
中年男性は相変わらずTシャツ姿で、腕を上げた時に筋肉の線がくっきりと見え、鋭い眼光から、かなりの実力者であることが一目で分かった。
彼は白川華怜と木村浩の二人を一瞥し、「お前たちも物件を買いに来たのか?売らないぞ」
「違います、金子館長」白川華怜は微笑んで言った。「私たち二人は、以前の道場がどんな様子だったのか見てみたいだけです」