091大暴れする遠山弁護士(2投目)_3

安藤宗次は目を細めて、羊毛の先のような糸を、ほとんど見えない針穴に通した。

田中局長と木村翼の二人は、その様子を見て感心していた。

糸を通し終えると、安藤宗次は口を開いた。「邵軍一人で十分だ」

田中局長がそれを承諾するはずもなかったが、彼は多くを語らず、ただ話題を変えた。「白川さんは文系から理系に転向したそうですが、今の高三の成績はどうですか?」

今回の保護者会はまだ開かれていない。

白川華怜も自分から成績を話すことは決してない。

安藤宗次が覚えているのは前回の月例テストの点数で、白川華怜の成績が予想外だったため、非常にはっきりと覚えていた。「450点です。要求は高くありませんが、二次合格ラインには達しています」

「え?」田中局長は一瞬混乱した。

二、二次合格ライン?

彼はまだ白川さんを江渡大学に進学させようと考えていたのに。

**

水曜日。

山田の裁判が開廷する。

午前8時、裁判所はまだ開門していないが、山田のお母さんと白鳥春姫は裁判所の門前で首を長くして待っていた。

午前9時、白川華怜、木村浩、そして宮山小町と森園雄が到着した。

午前9時20分、遠山貴雲がようやく姿を見せた。

彼は今日、普通の黒い法服を着ていた。この日曜日に買ったばかりのもので、開廷に法服の指定はなく、彼は自分の法服を持ってくるよう頼まなかった。

「遠山律師」白川華怜は木箱を彼に渡した。「これは弁護士バッジです」

遠山貴雲は何気なく受け取り、開けてみると、中には黒いバッジが入っていた。彼はちらりと見て、左側に付けた。

とても気軽な態度だった。

白川華怜は声を潜めて、木村浩に小声で話しかけた。「今日、相手側が雇った弁護士はとても凄いらしいけど、遠山律師は大丈夫かしら?」

「誰を雇ったんだ?」木村浩は少し頭を下げて、低い声で尋ねた。

「鈴村景塚です」白川華怜は考えながら答えた。

木村浩はしばらく考えてから、首を振った。「聞いたことがない」

白川華怜:「……」

もういいや。

順子さんは二人の後ろに立ち、法服のバッジを厳かに整える遠山貴雲の顔を見て、そして白川華怜と人を寄せ付けない雰囲気の木村浩を見て……

この一団は、なんだか頼りになりそうで頼りなさそうな感じがする。

本当に大丈夫なのだろうか?

午前9時30分。

全員が法廷に到着した。