086 秘密を持つお祖父さんとトップ弁護士団_3

つまり……

白川華怜は倉庫を見回した。安藤宗次の倉庫にある布地は、ほとんどが高価なものばかりだった。彼はどこからそれらを手に入れたのだろう?

「イェーイ!」ランスは長衣を着ると、もう脱ぎたくないと言い張った。彼は椅子に座り、このまま針を打ってくれと白川華怜に合図した。

洗濯?

彼は当分の間、脱いで洗うつもりはないようだった。

「君も欲しいのか?」安藤宗次が刺繍針を油紙に包んでいると、うつむいた時に木村翼が感嘆の眼差しを向けているのに気付いた。

木村翼はあまり話さない。

しかし安藤宗次が言い終わると、彼の目は明らかに輝きを増した。

安藤宗次は再び油紙を開き、「どんな柄が好きなの?」と尋ねた。

質問する前は、特別突飛な答えが返ってくるとは思っていなかった。

結局のところ、ランスを除いて、白川華怜を含む彼の知る人々は、みな極めて普通の美的感覚を持っていた。