115田中局長の大行動_3

二人「……」

警察署。

執務室。

田中局長は席に座り、向かい側の二つの巨大な3Dスクリーンには二人の厳かな姿が映し出されていた。

「田中長邦、お前は特別部隊を陽城市に派遣し」左側の老人が重々しく言った。「さらに精密装備まで使って……」

大きな動きを仕掛けようとすれば、陽城市の警察力だけでは当然足りない。

田中局長は江渡の人員と装備を動員した。

彼は最近江渡で目立ちすぎていて、多くの人が気に入らず、直接田中家の面々に訴え出て、今この二人が田中局長を非難していた。

「ギィー」

執務室のドアが開き、すらりとした姿がゆっくりとスクリーンの中央に歩み入った。

田中局長はすぐに立ち上がった。

木村浩は淡々とした目つきで二つの映像を見渡し、田中局長が引いた椅子に何気なく座り、肘を肘掛けに乗せ、まつげを少し伏せていた。何も言わなくても威圧感があった。

スクリーンの中の二人は喉を掴まれたかのように、声が瞬時に消えた。

田中局長は木村浩にお茶を注いだ。

「使用した装備については、すでに木村錦に倍額で補填させました」木村浩はお茶を受け取り、ゆっくりと一口飲んでから、少し目を上げ、冷淡な口調で言った。「人員は私が借りたということで、他に質問はありますか？」

誰も話さなかった。

何が言えるだろうか？田中家は代々武人の家系で、金儲けの才能はないが、古来より現在まで生き残れたのは、木村家の変わらぬ支援があったからこそだ。

田中局長は眉を上げた。

へへ、言っただろう——

彼には、コネがある！

**

病院で、渡辺助手はまだ戻っていなかった。

渡辺泉の病室には若い男性が立っていた。彼は黒いダウンジャケットを手に持ち、白い長袖Tシャツを着て、物腰が穏やかで、目を伏せながら、真剣に中田先生の渡辺泉の病状説明を聞いていた。

「つまり解毒剤は明日にならないと届かないということですね？」渡辺文寺は頷き、中田先生に礼を言った。「ありがとうございます、中田先生」

中田先生が去った後、渡辺文寺は安藤蘭にお礼を言った。「安藤おばさん、父の面倒を見ていただき、ありがとうございます」

渡辺文寺と渡辺千月はいつもこうだった。

誰に対しても態度が良く、傲慢さも焦りもない。