110 本当にやってしまった_3

下は全て賛同の声だった。

白川華怜がこれからも作曲を続けるかどうか、順子さんにはわからなかった。機会を見つけて聞いてみようと思っていた。

彼女は白川華怜が勉強好きなことを知っていたが、作曲の才能は無駄にしてほしくないと思っていた。

白鳥春姫のウェイボーを開くと、フォロワーは既に400万人に達していた。今日は朝から晩まで、各メディアが白鳥春姫の歌を繰り返し放送していた。

タイムメディアが急遽順子さんを呼び戻して契約を改定することになり、順子さんは涙が込み上げてきた——

白鳥春姫は芸能界に入って何年も経つが、今回ついに日の目を見た。

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陽城総合病院。

「レントゲンと血液検査では特に問題は見られません」医師は渡辺泉に薬を処方した。

「問題がないって?」安藤蘭は横に立ち、眉をひそめた。「でも最近頻繁に頭痛がするんですよ」

医師は検査結果を見ながら、最後に顔を上げて言った。「渡辺さんは休養を十分取る必要があります。陽城市の医療設備には限りがありますので、ご不安でしたら上級病院での検査をお勧めします」

「そうそう」医師は何か思い出したように付け加えた。「渡辺さんと似たような症状の患者さんがいましたが、日常生活には大きな支障はないものの、記憶力に影響が出ることがありました。渡辺さんは最近物忘れが多くなっていませんか?」

椅子に座った渡辺泉は「まあまあです」と答えた。

頭痛以外の症状は出ていなかった。

二人が診察室を出て、安藤蘭が薬を受け取りに行った。戻ってきた彼女は心配そうな様子で「時間を見つけて江渡病院で再検査を受けましょう。陽城市は何もかも遅れているわ」と言った。

「そうだね、帰らないと」陽城市での仕事が軌道に乗り、渡辺泉と安藤蘭の結婚式も近づいていた。彼は笑みを浮かべて「結婚式の準備もしないといけないし、華怜は来てくれるかな」と言った。

病状についてはそれほど気にしていなかった。

結局のところ、時々頭痛がする程度の些細な症状だった。

それよりも、白川華怜が江渡まで来て自分と安藤蘭の結婚式に参加してくれるかどうかが気になっていた。

「あの子ね...」安藤蘭は一瞬ぼんやりした。

今では白川華怜とほとんど言葉を交わすことができなかった。関係を改善しようと試みても、話しかけるたびに無視されてしまう。