白鳥春姫は彼女に返事をせず、ただ曲を見つめていた。
順子さんは今手元にパソコンがないため、USBの中の曲を聴くことができず、運転手に急かした。「もっと速く走って。」
北区に早く着けば、この曲の全体的な雰囲気を早く聴くことができる。
隣の白鳥春姫は、メロディー全体をおおよそ口ずさんだ後、しばらく我に返れなかった。
順子さんは作曲とアレンジがそれほど悪くなければいいと思っていた。結局、白川華怜も彼女に言っていたように、合わなければ変更できるのだから。
しかし彼女は知るはずもなかった。この曲を書いたのは白川さん本人で、白川華怜は自分が第三皇女に及ばないと思っていたが、彼女は自分の先生が誰なのかを忘れていた。彼女と第三皇女を同時に受け入れられる先生なのだから、彼女の才能は言うまでもない。