125 衝撃、歴史に刻まれるほど(2)_3

「沙耶香」白川明知が立ち上がり、厳しい表情で言った。「山本家の方々が到着しました」

山本家は松木皆斗の母の実家で、江渡の人々だった。

迎えに来たのは松木のお母さんと彼女の兄で、現在の山本会長だった。松木のお母さんが先に到着していたのは、一つは安藤蘭の結婚式のため、もう一つは家族との絆を深め、皆斗の来年の江渡入りの準備をするためだった。

両者が挨拶を交わした。

松木のお母さんが白井沙耶香の方を見て尋ねた。「何を見ているの?」

「白川華怜を見かけたような気がして...」白井沙耶香は視線を戻した。

「白川華怜?」白川明知と挨拶を交わしていた山本会長が首を傾げた。

「ああ、彼女ね」松木のお母さんは淡々と言った。「以前の皆斗の婚約者よ。彼女の母が江渡に嫁ぐことになっているから、ここで見かけても不思議じゃないわ」