125 衝撃、歴史に刻まれるほど(2)_3

「沙耶香」白川明知が立ち上がり、厳しい表情で言った。「山本家の方々が到着しました」

山本家は松木皆斗の母の実家で、江渡の人々だった。

迎えに来たのは松木のお母さんと彼女の兄で、現在の山本会長だった。松木のお母さんが先に到着していたのは、一つは安藤蘭の結婚式のため、もう一つは家族との絆を深め、皆斗の来年の江渡入りの準備をするためだった。

両者が挨拶を交わした。

松木のお母さんが白井沙耶香の方を見て尋ねた。「何を見ているの?」

「白川華怜を見かけたような気がして...」白井沙耶香は視線を戻した。

「白川華怜?」白川明知と挨拶を交わしていた山本会長が首を傾げた。

「ああ、彼女ね」松木のお母さんは淡々と言った。「以前の皆斗の婚約者よ。彼女の母が江渡に嫁ぐことになっているから、ここで見かけても不思議じゃないわ」

松木のお母さんの説明を聞いて、山本会長は軽く頷いただけで、それ以上は聞かなかった。

明らかに白川華怜には興味がないようで、白川明知に笑顔で話しかけた。「お子様が江渡大学の研究室でインターンをされているとか...」

彼らにとって、自身の力こそが最も重要なことだった。

白川家では、白川圭介が江渡大学で頭角を現し、白井沙耶香も藤野院長に目をかけられ、この二人は非常に優秀だった。だからこそ山本会長が自ら出迎えに来たのだ。

前回、白川家にはこのような待遇はなかった。

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北区の統一テストの成績が発表されるたびに、教育システム全体が混乱に陥る。

陽城第一高校。

校長と各クラスの担任たちがコンピュータ室で待機していた。

この二時間、システムにログインすることすらできていなかった。

「一体どうなっているんだ?」校長は両手を後ろで組んでコンピュータ室を行ったり来たりし、焦りを隠せなかった。

今までこんなことは一度もなかった。

奥田幸香は落ち着いていた。彼女は片隅の事務机に座り、ゆっくりと指導案を書きながら、時々お茶を一口飲んでは「何を焦っているんですか?」と言った。

何を焦る?

もちろん畑野景明と白川華怜が自分たちの成績を維持できるかどうかだ。

前回畑野景明は31位、今回も維持できれば、センター試験でも維持できれば、陽城第一高校の次回の評価で省重点校になる可能性が出てくる。

それに白川華怜も。