128 天才が集まる_2

「浪川輝明、Bの問題用紙」

「……」

「松木皆斗、Cの問題用紙」

「畑野景明、Cの問題用紙」

「白川華怜、Cの問題用紙」

「空沢康利、Cの問題用紙」

Aの問題用紙はわずかで、Bの問題用紙も少なく、Cの問題用紙が大多数を占めていた。

白川華怜たち三人が受け取ったのはCの問題用紙だった。

空沢康利は手元の問題用紙を見下ろして、「Cの問題用紙でもこんなに難しいのに、Aの問題用紙は一体どんな神様が解けるんだろう」と言った。

教室の人々が徐々に去っていき、空沢康利は教室の入り口に立って数人と話をしていた。

白川華怜が綿入れコートを持って立ち上がった時、彼女以外の唯一のショートカットの女子が、空沢康利たちから2メートル離れた場所に立ち、空沢康利たち二人を見上げては、カバンの紐を何度も握りしめているのが目に入った。

彼女は白いマスクをし、眼鏡をかけ、帽子もかぶっていて、前に出たいけど出られない様子だった。

白川華怜は上着を着終わると、手を伸ばして空沢康利を横に引っ張った。「人の邪魔してるわよ」

他の男子たちも次々と道を譲った。

その女子は道を譲られると、素早く頭を下げて通り過ぎ、頭も上げずに出て行った。

幸い白川華怜は耳が良く、かすかな「ありがとう」という言葉を聞き取れた。

「え？」空沢康利は一陣の風のように通り過ぎただけで、最後まであの女子の顔を見ることができなかった。「姉さん、畑野さん、この人たちは附属中学校の人たちです」

空沢康利は二人に、これらの男子を紹介した。明らかに彼らは同じクラスだった。

「こちらが浪川輝明です。彼が持っているのがBの問題用紙です。彼はすごく優秀で、IMO金メダリストなんです！」空沢康利は最後に筆頭の男子を重要人物として紹介した。

畑野景明は非常に驚き、浪川輝明を見つめた。

金メダリストでもBの問題用紙しか解けないのか？

浪川輝明は黒縁メガネをかけ、素朴で落ち着いた様子で、このような視線にも慣れているようで、ただ口を開いて言った：「よろしく。後の学術発表で質問があれば、私に聞いてください」

これは白川華怜たちと学術発表グループを組むことを婉曲に断る意味だった。

「ありがとう」白川華怜はお礼を言った。

お礼は言わなければならないが、質問するのは怖い。