白川華怜も友達からメッセージを受け取った。
友達:【[スクリーンショット]】
友達:【ははははは笑死、松木皆斗が一位取れなかったんだって】
友達:【今日はケーキ三個食べちゃおうかな!】
友達:【誰かが手を下したんだろうけど、とにかく気分爽快!】
白川華怜:【……】
友達:【?】
二人の会話はいつもかみ合わない。白川華怜は会話を終えると、英語の読解ページに戻った。隣では木村翼が抱き枕を抱えて居眠りしていた。
今日は畑野景明と空沢康利がいたため、木村浩は助手席に座った。
しばらくすると、車は平安キャンパスに入った。
車が停まると、研修所の入り口に高くそびえる看板が見えた——
「博源塾」
「ここは井上先生が設立した夏期講習の拠点で」木村浩は車を降りると、マスクを取り出して付けながら、白川華怜に説明しつつ中へ案内した。「中高生や大学生に数学的思考力のトレーニングを提供する場所だ」